草千里99 3654日目の出会い
草千里への旅路
フェリーの利点は何といっても万全の体制で現地ツーリングに望めることだろう。 ただし、船酔いしなければの話だが・・・。十分に睡眠を取った後目覚めると九州に上 陸しているという幸せが味わえる。また、上陸地点の選択によって上陸後のツーリン グルートもバラエティーにとんだ選択が可能だ。上陸地を変えればその度に九州は様々 な顔で我々を出迎えてくれるのだ。 そこでよけいなお世話だと思うが各上陸地点からのアプローチを考えてみた。ツ ーリングはその計画も楽しみのひとつである。その参考になれば結構なのだが。 さらにさらに付け加えるならば、予約だけはした方が いい。行きはともかく帰りは船が満杯だと最悪帰れな くなるはめに陥ってしまう。特に今回は大分、別府から の航路は草千里帰りのバイクであふれる可能性が非常 に高い。29日(日)と30日(月)は特に集中するだろう。 帰ってから予定がある人はよく考えよう。

別府は町中いたるところに湯気が上がっている。またそれに 硫黄臭がワンセットで付いてくる。いまさら言うまでもないこと だが別府は大温泉ワンダーランドなのである。また入湯料も安く、 ほとんどの湯が100円以内で利用できる。 お薦めはやはり何と言っても「竹瓦温泉」であろう。明治12 年創業のこの温泉では砂湯も楽しめる。ただし料金は700円 ほど余分にかかる。またこの砂湯は男女湯間のしきりが低く、我々 がいったときは女子大生の団体さんがいてウハウハであった( ごめん)。女性は気を付けよう。 また観光名所として「地獄めぐり」があるが、誰に聞いてもた いしたことはないということなので、いかなくてもいいだろう。 草千里を目指すには大分自動車道で湯布院まで一気に飛ぶ とやまなみハイウェイが全線楽しめる。が難点は大分自動車道 は追い越し車線がほとんどなく、のんびりした車がいるとストレ スがたまることと、湯布院で若干混雑する可能性があることだ。

新門司から草千里を目指すには一気に九州自動車道で熊本 まで飛ぶのがいいかもしれない。 途中、観光するならば太宰府によれる。歴史を感じさせる太 宰府天満宮には言わずと知れた学問の神様、菅原道真公が奉ら れている。学業成就の御用のある方は是が非でも参拝したいと ころだ。渋滞を覚悟するならば福岡ICでおりるとキャナルシテ ィー、福岡ドーム、福岡タワーといっぺんに見物できて、博多ラ ーメンも食える。だが重ねていうが、渋滞を覚悟するならばだ。 熊本からは国道57号線で阿蘇入りするのが王道なのだが、 県道28号(熊本高森線)がお勧めだ。交通量も少なく、なにより 阿蘇を見下ろす景観のいいワインディングがたまらない。高森 峠の旧道、九十九曲(ゲロ道)に挑戦し冷や汗を流し、近隣の温 泉(阿蘇は温泉天国、最近はどこも整備されていてきれい)でさ っぱりとその汗を流すのも気持ちいいだろう。さらに高森の田 楽もはずせない。

宮崎からは草千里は結構遠い。日向まで南の日差しを楽しみ ながら海岸線を北上し、高千穂経由で熊本入りするルートもあ るが(それなら素直に日向に上陸した方がいいかも)、ここはや はり内陸路が楽しい。 宮崎自動車道で高原ICか小林ICまで移動し、えびのスカイラ インや霧島バードライン、霧島スカイラインなどを味わい、つい でに足を延ばし人吉のループ橋を渡ってみよう。超巨大なルー プは実際に走ってみるとよくわからないぞ(笑)途中、賽の河 原の灰一色の世界で臨死体験してみるのもおもしろい。その 後は一泊する余裕のある人は五木村を経由する445号線へ、 余裕のない人は人吉ICから九州自動車道で一気に熊本までい こう。445線はダム工事などもあり道も大分整備されたようだが、 それでも寂しい雰囲気を味わうことのできるなにやら懐かしい 味のある道だ。またオフローダーなら涎をながしそうな林道が たくさんあるので寄り道を楽しもう。ただし、草千里は遠いぞ。

大分からは210号線でやまなみハイウェイの入り口を目指し てもいいし、湯布院を回避して山下湖のあたりから入ることも できる。また、442号線を通り竹田経由でやまなみハイウェイ を途中から走ってもいい。「道の駅竹田」では名水の補給もで きるし、徐々に阿蘇が目前に迫ってくる景色はこのルートなら ではだ。竹田をパスするなら412号線から大野川上流広域農 道を走ってもいい。とにかくいろんな選択肢が存在するが、な んにせよキーワードは「やまなみハイウェイを目指せ!」だ。や まなみハイウェイをたんのうした後はエルパティオ牧場でステ ーキをいただき(ちなみにツーリングマップルに乗っている阿 蘇観光牧場のBBQはいまいちだ)、ミルクロードを抜け大観望 を目指そう。ここから見る阿蘇はまさに、ボキャブラリが乏しく 申し訳ないが、絶景だ。ちょっと変わったものが見たい人はここ から212号線を南に下りピラミッド跡地か、実に味わいのある 木造建築の阿蘇町役場(内牧温泉そば、標識有)を見学しよう。

さあ、ここに上陸した人は気合いを入れよう。草千里ははる かなる北にあるのだ。その分、寄り道先もたくさんある。 野生馬が我が物顔に闊歩する都井岬、南国気分たっぷりの日 南フェニックスロードとサボテンステーキ、ちょっと遠いが本土 最南端と一度は行っておきたい佐多岬、もひとつ遠い薩摩富士 の異名をとる鹿児島大三角形開門岳、吹きあがる噴煙が心躍ら せる桜島、何もない都城、おび天が食える飫肥城跡地、霧島高 原に賽の河原。 とても書ききれない程広域 に渡り、見る物、食う物がこれで もかと首をそろえて待ちかまえ ている。何にせよ一泊、二泊は 覚悟せねばならないだろう。と にかく南九州には時間に余裕を 持って上陸したいところだ。


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